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イラストレーターまつながみかのafricanとつぶやきなブログ

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17.夏だからなのだ。薄着だからなのだ。 

 

その日はなんともあっぱれな、台風一過の快晴だった。
私は珍しく表参道なるおしゃれタウンで、
おしゃれなカフェに入り、
ひとりランチなんかをしていた。
ひとりだと無心に食べるしかないこの状況に、
正直未だあまり慣れていない。
箸を止めたところですることがないのだ。

斜め前に、老けて見えるがおそらく32才位であろう女性が、
もしくは32才ってこんなもんよ的な女性が、
ちょっと年配の女性と着席した。
楽しそうにおしゃべりするこの女性は、
お出かけ用のお化粧をして、
夏らしい涼し気な白いサマーニットを着ていた。
ブラとレースのキャミソールが透けて見える。
昼下がりに再放送しているサスペンス劇場で、
風間杜夫にまんまとはめられてしまった愛人みたいなキャミソール。
夏だからなのだ。
薄着だからなのだ。

そういえば小学校の帰り道、
付け慣れないブラのヒモが下がってくると
どうしてよいかわからなくって
恥ずかしくって下を向いて急ぎ足したものだ。
それが今ではどうだろう。
平然と人前でヒモを上げる。
おばさん街道にリーチとはこういうことなのだ。
そしていつの日か、
あんな微妙なレースの下着をライフで買うようになるのだ。

ところで彼女のブラはきちんと装着されていた。
風間杜夫に捨てられようと、
ブラとキャミは肩にしっかりと掴まっていた。
それは問題ない。
しかし何かが引っ掛かった。
そう、彼女の白いサマーニットには
なにやら海に浮かぶ孤島のような白い影が、
肩甲骨当りにくっきりと浮かんでいるのだ。
明らかに不自然なシルエット。
ブラではない・・・何だ・・・。
見つめること18秒。
私はその正体を知った。


あ、汗ワキパット・・・・


ワキの下にあるはずの、
その両面テープで装着できる汗ワキパットは、
あまりに暑いこの表参道で、
プレートテクトニクス現象かなにかによって、
肩甲骨までゆっくりと移動していったのだ。
なんて、アヴァンギャルド!!

咀嚼、咀嚼、汗ワキパット、咀嚼、汗ワキパット・・
私は残りのランチタイム、全集中力を彼女の汗ワキパット移動論に注いだ。
もう食後のデザートなど興味もなかった。
汗ワキパット物語のタイトルまで考えた。
「パット君、初めてのおつかい」
「キャプテンパットの大冒険」
「刑事・片側パット 密室の謎」・・・
こういう時のばかばかしい想像力だけは、自分でも感心する程働くのだ。

ひとしきり楽しんだところで精算を済ませ、私は化粧室に向った。
化粧室から出たところで、
これから化粧室に向う彼女とすれ違った。
その時の彼女の表情にニヤリ。
大事な秘密をかかえた恥じらいの表情は、
まるで初めて風間杜夫とベットインした日のごとく。
そして今からくり広げられる、
化粧室での彼女の汗ワキパット撤去作業の一部始終が
まるで手に取るように、鮮明に頭の中で映像化された。
気掛かりは、彼女が実は気付いていなかったらということだけだった。
見届けたい!
しかし、物語の終焉を知ることは案外がっかりするものなのだ。
はやる気持ちを押さえ、
私はドラマティックなエンディングを考えながら店をでた。


今まで気にもかけなかった汗ワキパット。
汗ワキパット・・・
汗ワキパット???

夏だからなのだ。
薄着だからなのだ。
いや、いくらなんでも
そりゃないだろ・・・。


17.jpg


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